位相差顕微鏡を使うことで口腔内に存在する各種菌(特に歯周病菌と呼ばれる細菌や微生物など)を映像あるいは画像として直接見ることができます。ただし、この検査では歯周病原因菌の一部(らせん状菌:Td菌) しか見ることはできません。
一般的に口腔内には約700種類の細菌が存在している(口腔内常在菌)と言われています。この細菌は病原性が弱いため、これらの菌は単独で疾患を起こすのではなく、複数の菌が原因となり、口腔内の環境の変化によって発生すると考えられています(口腔ケアの問題や加齢など)。
検査は歯周ポケット(3ミリ以上の深いポケット部)から採取された汚れを位相差顕微鏡と呼ばれる顕微鏡を使って検査します。検査結果はコンピューター画面に映像あるいは画像として表示され、患者さま別に検査ごとの時系列で保存されます。
検査結果の映像あるいは画像から見ることのできる菌の種類を判定したり、口腔内の状態(口臭を発生させる可能性のある菌の存在や血液を食べる菌の存在から出血の有無、歯周病菌の有無)を判定したり、複数回の検査で菌の増減から治療の進行具合などを見ることができるようになります。
患者さま自身も医院のコンピューター画面で菌を見ることができるので、この検査を通じて現在の口腔内の菌の存在を判断できることから、治療方法(たとえば薬を使った除菌)や患者さま自身の口腔内ケア方法などが効率的に行えるようになります。
この検査を行うことで口腔内に存在する菌や菌の数が判明するので、治療と併用してこの検査を行う、ことで菌の減少を見ることが可能となります(除菌により歯周病治療などの効果があることを目で確認することができるようになります)。
歯周病、歯肉の出血や腫れ、膿みのある方、あるいは患者さま自身がご希望する方を対象として、検査を行います。